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slug: manila-premium-2026-04
title: "マニラはアジアの電力プレミアムを払い続けるのか"
title_en: "Will Manila keep paying Asia's electricity premium"
issue: "001"
date_published: 2026-04-15
date_modified: 2026-05-14
language: ja
canonical: https://journal.nikolapw.com/essays/manila-premium-2026-04/
series: philippine-power
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# マニラはアジアの電力プレミアムを払い続けるのか

> 容量市場の幻影と、ねじれた資本コスト。メラルコ料金の上振れを三つの数字で読み解く。

## Key Claims

### claim-1

- (ja) 2024年以降のメラルコ料金上振れの約3割は、燃料費・為替・利用率では説明できない残差である。
- (en) Roughly 30% of Meralco's post-2024 tariff overshoot cannot be explained by fuel cost, FX, or utilisation — it is a residual.

### claim-2

- (ja) 容量メカニズムが未整備な国では、IPP の WACC に 1.5〜2.5pt のリスクプレミアムが上乗せされている。
- (en) In jurisdictions without a working capacity mechanism, IPPs price in a 1.5–2.5pt risk premium on their WACC.

### claim-3

- (ja) フィリピンの追加発電容量の70%が2030年までにPPA満了。再交渉時にプレミアムが反映される。
- (en) 70% of Philippine incremental generation capacity hits PPA expiry by 2030; renewal terms will re-price the premium.

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メラルコ住宅用バンドル料金は、2026年4月時点で **PHP 14.35 / kWh**。
2020年8月の **PHP 8.49** から、5年8ヶ月で **+69%**。
バンドル全体でこれだけ上昇しているが、その内側を分解すると、発電スライス単独で **+91%** に達する。

数字を見ると一見、上昇は一様に進んだように見える。だが請求書を構成要素ごとに分解すると、動いたのはほぼ発電の 1 カラムのみであることが分かる [1]。送電・配電・税は、5 年間でほとんど動いていない。

<!-- scene:3 mode:L -->

## 実質的に動いたのは 1 つだけ

2020 年から 2026 年にかけて、バンドルの非・発電レイヤー（送電・配電・税）は合計でも数センタボしか動かなかった。発電だけが **PHP 3.99 / kWh** 上昇し、その単一カラムが +69% 全体を担っている。

残差 3 割の正体は、燃料費・為替で説明されないこの発電内部のリスクプレミアム — つまり *容量メカニズム不在のしわ寄せ* である [1][3]。

ここで重要なのは、発電内部の「説明できない部分」が、規制が空白を残している領域とほぼ一致するという観察だ。容量市場が未整備な国では、IPP は契約価格にリスクプレミアムを織り込む。そのプレミアムが、最終的にバンドルの「発電」スライスに着地する。

> 構造の空白は、誰かのバランスシートに着地する。フィリピンでは、それが家庭の電気料金に着地している。

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## 屋根上ソーラーは 2024 年にグリッドの下をくぐった

ルソン島の産業需要家向け behind-the-meter ソーラー LCOE は、メラルコの発電チャージを下回り、構造的ドライバーが上向きに作用する中でさらに低下を続けている。クロスオーバーはすでに発生しており、ギャップは年々広がっている [3]。

> 図. 産業用屋根上ソーラー LCOE vs メラルコ発電チャージの推移、2020–2026。LCOE は PHP 11.50 → 4.80、発電チャージは 4.40 → 8.39。クロスオーバーは 2024 年。出典: Meralco Rates Updates / Polyphase LCOE Model.

産業スケールでは、behind-the-meter ソーラーはグリッド発電チャージの *およそ半額* に着地し、契約期間中の単価は PHP 建てで固定される。これは家庭ではなく、まず工場が静かに脱グリッドしていく構造を作る。

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## 戦争はトリガー。構造が物語。

ウクライナ侵攻と Malampaya 枯渇は、たしかにメラルコ料金を押し上げた。だが本誌の関心はトリガーの方ではない。なぜ同じトリガーが、隣国よりもフィリピンの請求書に大きく転写されるのか — その差分の方だ。

差分は制度設計、より具体的には *容量メカニズムの空白* に着地している。2030 年に向けて PPA 満了の波が来る。再交渉のたびに、空白の代価は再び家庭に転写される [2]。

それは記事一本では閉じない問いだが、まずここから書き始める。

## Sources
- [1] Energy Regulatory Commission, Annual Report on Generation Charges 2024–2025 — https://example.org/erc-annual-2025 (accessed 2026-04-03)
- [2] Department of Energy, Philippine Energy Plan 2023–2050 (Vol. III, Capacity Outlook) — https://example.org/doe-pep-2023-2050 (accessed 2026-04-08)
- [3] Meralco, Investor Disclosure, Q4 2025 — https://example.org/meralco-q4-2025 (accessed 2026-04-10)
